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※2022年5月更新※ 隣接地の所有者が勝手に境界杭をなくしてしまった

2019.12.20

皆様、土地家屋調査士という国家資格をご存じでしょうか?
土地家屋調査士とは、不動産の登記簿(登記記録)の「表題部」の新設、変更・更正、閉鎖等の代理申請を行う土地建物の表示登記および境界の専門家です。

 

■Q■
土地を買った際に境界杭があったのに、隣接地の所有者が建物を新築した時にせっかくあった境界杭を工事で飛ばしてしまいました。どうしたらよいですか?

 

■A■
我々土地家屋調査士は日々境界立会を行っております。その際に時折出てくる話題です。

工事でなくされてしまったのが明白であれば、時間を置かずに工事をした建設会社や解体業者の方に境界標の復元をお願いすべきです。
その際の作業は境界の専門家である土地家屋調査士に依頼をするようにお願いをした方がよいです。

土地家屋調査士は資料を基に精度の高い測量器械を使い復元作業を行うからです。時間が経ってお願いすると責任の所在が不明瞭になり、復元作業をしてくれない事になりかねません。
時間が経つと元々境界杭なんて無かったと主張されたり、水掛け論になってしまうことも多々あります。
業者の方がしてくれない場合は隣接地の所有者に直接申出するしかありません。
費用が掛かる話なので、思わぬトラブルになるケースがあります。
 

また、場合によって対応が変わってきます。

①最近の座標値付きの図面がある場合


②古い図面(三斜求積=底辺X高さ÷2)がある場合


③図面がない場合

 ①の場合は、比較的容易に復元が出来ます。
 ②場合によっては土地全体の境界確定測量が必要になります。
 ③その点のみの復元は容易ではなく土地全体の境界確定測量が必要となる可能性が高いです。

工事が原因の境界の揉め事は、少なからずあります。
法務局は地積測量図は管理してくれますが、現地の境界標識の管理は自己管理が原則です。
工事がきっかけで隣接地の所有者との友好関係が壊れてしまうというのは大変残念な話です。

そうならない為にも日頃からご自身の土地や相続予定の土地の境界線の管理を意識されることをおすすめします。
また、工事によって建築物などが越境されてないかも確認されておいた方がよいです。
こちらも早い内に通告しないと対処してくれない事が考えられるからです。
越境物は土地の売買や建物を新築する際などに支障となるケースがありますので、注意が必要です。

境界線の事でご心配な事があれば、お近くの土地家屋調査士に是非お尋ね下さい。

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筆者紹介

江藤 剛
土地家屋調査士

事務所理念
◎お客様の大切な不動産の取引・管理に関し、正確かつ迅速なリーガルサービスを提供します。

◎常にお客様や関係する方々の立場に立ち、丁寧且つ真心溢れた業務や相談サポートに努めます。

不動産という高価な財産における不動産表示登記に関し、依頼者の権利の保全の為に登記申請や測量を行う土地家屋調査士にとりまして、正確な知識に裏付けされたリーガルサービスが基本となります。その上で迅速に業務を完遂し、お客様に権利の保全と安心を提供します。また、専門的な知識が多い不動産登記や境界確定測量に関し、丁寧且つ真心溢れた相談サポートを提供します。

例えば、お客様が永続的にお住まいになる住宅の測量業務などでは、隣接者や官公署などと境界トラブルや越境によるトラブルなどが残らないように慎重に業務をすすめる必要があります。お客様の「大切な不動産に将来的な安心を」ということを常に考えながら業務を遂行していきます。
土地の取引では不動産取引が将来に関しても安全に行われる業務や相談サポートを提供致します。
そして、常に笑顔で元気よくお客様との関係構築に努めてまいります。

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